2019/4/1

プレートに使用される表面処理とは

産業機械やFA機器、あるいは半導体などに採用される高精度なプレートには、様々な表面処理が施されます。たとえば、一般的には鉄系の表面処理は黒染め・無電解Niメッキ・黒クロームメッキ(レイデント)・ハードクロームメッキ・黒無電解Niメッキ・ユニクロメッキ(白・黒・有色)などがあります。さらにアルミ系の場合も、白アルマイト・黒アルマイト・硬質白アルマイト・梨地アルマイトを挙げることができます。

表面処理は、プレート加工品の機能を向上させるために処理が行われる訳ですが、多くの場合には「防錆」が求められます。しかし、防錆といっても表面処理の種類によって防錆の程度はもちろん、精度やコストも大きく変わってきます。ダイキョー精機株式会社がよく採用している表面処理方法を一覧でまとめると、下記のようになります。プレートを設計される設計者や開発者の方々は、ぜひ参考にして頂ければと思います。

※表は一部表示されていないため、横にスクロールしてください

種類 防錆 精度(膜厚管理) コスト
黒染め × 数量による
無電解Niメッキ 薄い金色
レイデント
黒無電解Niメッキ
白アルマイト
黒アルマイト
硬質アルマイト
梨地アルマイト

この表をご覧頂くと分かるように、コスト面で言うと「無電解Niメッキ」が有利です。さらに膜厚管理も可能なので精度もののプレートやフランジに採用しやすいですが、一方で防錆はそこそこになります。従って、一般的な産業機器にはよく使われる表面処理方法となります。

しかし、無電解Niメッキの防錆では不十分であり、もっと防錆を高めたい、などの要求がある場合には、レイデント処理が採用されるケースが多くなります。

また、黒無電解Niメッキとレイデント処理を比較して頂くと、黒無電解Niメッキの方がコストが高く性能が劣るという結果になっています。実はこれは、黒無電解Niメッキが六価クロムを使わないために開発された、後発の表面処理工法だからです(なお、レイデント処理は工程内で六価クロムが使用されますが、製品には混入しません)。今後の技術的な発展とコストの低減が待たれるところと言えると思います。

なお、鉄系のプレート加工品の材質については、SS400やS50Cが採用されるケースが多いですが、ダイキョー精機株式会社ではSS400ではなく、S50Cを採用されることを強くお勧めいたします。これは、SS400には、鋼材の製造工程において、内部に「巣」(穴のようなもの)が発生することがあり、これが表面処理の品質に影響を及ぼすことがあるからです。
材料の価格としてはもちろんSS400の方が安い訳ですが、品質面やトラブル時の対応などを考えると、S50Cの方がバランスがとれており、プレート加工のコストダウンのためにどの材質にした方がいいか?という事を検討されている方は、S50Cを採用されると後々に発生する見えないコストやリスクも抑えることが可能となります。

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