2019/5/30

アルミプレートは素材そのものの規格を活用する

高精度なプレート加工品を設計する際、切削や研磨を行う会社の実力値を知っておくことは重要ですが、それよりも重要なのは素材そのものの規格です。中でもアルミプレートの場合は、材料メーカーから入手する素材のままでも使えることがあるので、素材の規格を覚えておけば、即VEに繋がります。

ダイキョー精機株式会社では様々なメーカーからアルミプレートを仕入れていますが、たとえば白銅の【YH材】あるいは滑川軽銅の【ハイプレート材】を購入した場合、板厚10mmであれば寸法公差が±0.05mmのプレートを入手することができます。この公差を活用できれば、つまりご自身が設計されたアルミプレートの厚みが10mmである場合、寸法公差を±0.05mmまでに抑えれば、我々のようなプレート加工専門の切削メーカー・研磨メーカーは切削しなくても高精度な素材のまま使用できることができ、コストダウンに繋がります。

ところが、寸法公差は上記の素材の規格に収めているにも関わらず、アルミプレートに図面上「仕上げ面」を指定されると、素材のままでも公差は十分なのに、プレート加工メーカーにて削らないといけない、ということになります。この場合、例えば大きなプレート加工品の場合はフルバックで削ることになり、切削面に数ミクロンの段差が発生する可能性が高まります。つまり、素材面のまま使えた方がコストも安くなる上、均一な面になるといった事が起こりえます。

ここで、実際のプレート切削においてはどれだけのコストダウン効果があるかをご説明しますと、例えばアルミ高精度プレートt10×150×1,000の場合は、切削時間は20分短縮することが可能です。

これは言い換えると、購入できるプレート材料の寸法公差を下回るものは、コストが高くなるということになります。材料メーカーの板厚の寸法公差は板厚が薄いほど厳しい公差に対応していますが、概して±0.05mm以下は対応できないことが多くなります。アルミ高精度プレートの規格を全て覚えることは難しいかも知れませんが、±0.05mmより厳しい公差は、規格品では対応できず何らかの切削や研磨が必要になってくる可能性があるとだけ覚えておいて頂ければよいかと思います。

ここまでは、高精度なプレート加工品を入手しながらもコストダウンを実現する方法として「規格品の数値を押さえてそれを活用しましょう」ということをご紹介しましたが、ダイキョー精機株式会社が手掛けるような高精度な特注プレートでよく使う材質として適用できるのは、アルミプレートのみです。S50Cももちろん高精度は特注プレートに採用されますが、素材が黒皮だから必ず切削加工もしくは研磨加工が必要となります。

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